相続税の配偶者控除(配偶者の税制軽減)について

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相続税の配偶者控除(配偶者の税制軽減)について

2020/10/01

相続税の配偶者控除とは、配偶者(妻又は夫)が相続した遺産の課税対象価格が1億6,000万円までであれば、相続税が課税されない特別な制度です。また、相続財産が1億6,000万円を超えても配偶者の法定相続分までであれば相続税は課税されません。
例えば配偶者が10億円という大金を相続しても法定相続分(全体の50%)以内であれば相続税は0円です。
普通の家庭で夫が死亡し、妻が相続する場合、配偶者控除が適用されるのでほんど相続税は無税になります。

 

課税対象の相続財産≦1億6,000万円又は法定相続分=相続税0円

 

これは次の理由から配偶者を優遇する制度です。

1.配偶者の老後の生活を保障するため

2.財産の形成において少なからず配偶者の貢献があったため

3.短期間に相続が2回発生し、同じ財産に2回税金がかかるため


(例)夫80歳で死亡 妻77歳 子供2人(A,B)
      遺産‥‥現金         1,200万円
                    預金             1億円
                     株               1億円
                    不動産(自宅ほか)2億8,800万円
                                      総額 5億円
                                  注.負債・借金等はないものとします。

 

法定相続人は妻と子供2人になります。
相続割合は妻が50%、子供全体で50%(各人25%)

まず基礎控除額を計算します。
3,000万円+600万円×3人(法定相続人)=4,800万円

課税価格が4,800万円以下であれば相続税はかからないことになります。

本件の場合は、課税価格=5億円-4,800万円=4億5,200万円となります。

 

次にそれぞれの相続人の相続税を計算します。

妻 4億5,200万円×1/2×0.45-2,700万円=7,470万円

子供A 4億5,200万円×1/4×0.40-1,700万円=2,820万円

子供B 4億5,200万円×1/4×0.40-1,700万円=2,820万円

                法定相続分に応ずる相続税の合計額  1億3,110万円

計算上では妻は7,470万円支払うことになりますが、法定相続分以内(50%以内)でありますので、配偶者控除により無税ということなので、0円となります。
子供A、Bのみが相続税を支払うことになります。

 

配偶者控除(税額軽減)の適用要件は次のとおりです。

1.法律上、婚姻関係であること

2.被相続人(夫又は妻)の死亡時から10ヶ月以内までに遺産分割協議を完了し、その

      内容に基づいて相続税の申告を済ませていること

3.遺産分割が確定していること

      遺産分割協議書が作成してあること


こうしてみると、相続税の配偶者控除という制度は、税金の支払いを将来に先延ばしする制度だということかもしれません。

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