不動産の有効活用について考えてみましょう~その3~
2020/11/20
今回は道路・水道・下水道・ガス等の供給処理施設(インフラ)についてお話しましょう。
①道路
これは社会基盤のうち、社会経済活動を行う上で一番重要な都市施設と言えます。道路は人や物が往来するための通路であり、また現代では自動車交通に依存する日常生活において欠くことのできない一番大切な施設です。
道路は大きく分けて公道と私道とに区分されます。
【公道】は国道、都道府県道、市道、町道、村道、道路(赤道)をいいます。
公道のうち、国道等と指定された道路は行政機関が維持・補修を行い管理しています。
一方赤道は、昔から畦畔等の通路として利用していた細い道(一般的には法定外公共物という)で、宅地化の影響で廃道となり、現在は利用していない道路が多く、行政財産ではないため払い下げの対象にもなります。
【私道】は不動産開発業者が分譲した分譲地内に配置された道路が多く見られ、一般的に開発した業者(又は個人)所有の名義になっています。私道の場合は、建築基準法第42条第2項第5号の位置指定道路として指定を受けた道路であるかが重要です。分譲地内の道路は、位置指定道路が通常です。位置指定を受けていない私道沿いの宅地は、原則として建物を建築することはできません。
また、私道のため補修等で後日色々な面倒なことが生じる可能性があり、注意を要します。
その他の私道としては、公道に通じる旗状地の通路(私有地)等もあります。
また道路の役割は建物の建築の有無にも関わります。建物が建てられるかどうかについては、次の要件があります。
a.建築基準法上の道路は第42条で、前面道路の幅員が4m以上あること。
昔からの道路で幅員が2mの道路がありますが、この道路に面している場合は、幅員を4mに拡幅したように見なさなければなりません。そのためには道路の中心から面しているそれぞれの宅地の1m部分の範囲を道路としてみなして(これをセットバックという)建築することができます。幅員2mの道路の場合、建物を建てる時は自己の土地の一部を道路として見なさざるを得ません。
b.前面道路に接面する間口部分が2m以上あること。
間口が2m未満だと建物を建てることはできません。
②水道
水道管が公営か私設管で若干問題があります。
公共機関が設置した水道管(公営)であれば特に問題ありませんが、私設管の場合は、私設管から水道を引き込む場合、私設管の所有者から承諾を得なければなりません。この場合、引込料として一定の対価を支払うこともあります。私設管は開発した分譲地等によく見られますので留意したいところです。
③公共下水道
公共下水道がある場合、使用料金が発生することは言うまでもありませんが、土地所有者に公共下水設置に伴う受益者負担金として建築費の一部を負担させる制度があり、既に納付済みかどうか確認を要します。
④ガス
都市ガスが布設されているかどうか、都市ガスかプロパンガスかでガスコンロの仕様が異なるので、確認した方がよいでしょう。
以上のとおり、インフラでは道路が一番重要であり、道路がどの方向にあるかで、宅地の価値に影響が出てきます。
これについては次回お話することにしましょう。