土地の価格について~公的な価格とは~

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土地の価格について~公的な価格とは~

2020/09/17

前回お話したとおり、土地の価格には「公的な価格」と「市場価格(時価)」がありますが、今回は「公的な価格」について詳しく説明します。

 

1.地価公示価格
 当価格は毎年1月1日時点において、地価公示法に基づき国(国土交通省)が基本的には都市計画が行われている全国の市町村の各地域毎に標準地を選定し、不動産鑑定士2名により鑑定した価格を土地鑑定委員会が審査し、標準地の正常な価格を判定して公示した価格(公示価格)をいいます。
    地価公示を行う目的は、一般の土地取引に対して売主がこの土地はいくらで売れるのか、買主はこの土地の適正な価格はいくらなのか、取引当事者に一定の指標を与え、円滑な土地取引に資するため、また公共事業に係る用地取得価格の算定等の規準とされ、適正な地価の形成を図ることです。

 

2.都道府県地価調査基準地価格
 当価格は毎年7月1日時点において、国土利用計画法に基づき都道府県が都市計画があるなしに関係なく、各市町村のそれぞれの地域に基準地を選定し、不動産鑑定士1人により適正な価格を鑑定させ、公示した価格(基準地価格)をいいます。
    基準地価格は地価公示価格を補完するものとして活用され、公示価格と同様、土地取引の選択指標に、また公共用地取得の際に算定の目安になっています。

 

地価公示価格、地価調査価格は国土交通省の「土地総合情報システム」で調べることができます。また、各都道府県のホームページでも調べることができます。

 

3.固定資産評価額
    固定資産税を算出するための基礎となる評価額で、前記の地価公示価格・都道府県地価調査基準地価格(以下、公示価格等という)を基に評価割合である70%を乗じて評価額を決めるのですが、公示価格等は市町村の全地域にあるのではなく限られた地域にしかないため公示価格等の数が少なく、各市町村内で状況が類似している地区毎に選定した標準地を不動産鑑定士に鑑定評価させて標準地の鑑定評価額を求め、これを基に各状況類似地区毎の標準地の価格を決定します。
 次にこれら標準地の鑑定評価額をベースに評価割合70%(0.7)を乗じて得た額が各市町村の基礎となる固定資産税標準地価格となります。
    さらに路線価が設定されているか否かで固定資産税評価額を求める方法が異なります。


ⓐ路線価が設定されている場合

(この価格は公表されていますので確認できます)

    路線価は前記固定資産税標準地価格がある路線を基礎となる路線価とし、道路の状況、周辺環境等の格差を分析して各路線毎に路線価を決定します。これらの路線に接面している各画地の個別的要因(整形、不整形、角地、奥行等)を分析して最終的に各々の土地の固定資産税評価額を決定します。


例  20,000円/㎡(路線価)×1.03(角地)×200㎡=4,120,000円となります。

 

ⓑ路線価が設定されていない場合

(各状況地区毎の標準地の価格を基準とする)
    各状況類似地区内にある各土地について、前記の各画地の個別的要因(形状等)を分析して、標準地の価格に対してそれぞれの土地の固定資産税評価格を決定します。

 

例  5,000円/㎡(標準価格)×0.95(不整形)×500㎡=2,375,000円となります。

 

4.相続税評価額
    国税庁の通達に従った評価額で、前記記載の地価公示価格・都道府県地価調査価格・売買実例価格・不動産鑑定士等による鑑定評価額・精通者意見価格等、複数の価額を参考に路線価方式又は倍率方式を適用して、国税庁が定めた評価額(地価公示価格等の80%)です。評価額を求める評価方法は①路線価方式、②倍率方式があります。

         
①路線価方式
   主に市街地的形態を形成する地域(例.青森市街地等)で採用されている方式で、毎年各国税局が公開している路線価(路線価図)に基づいて各々の土地を評価します。


       路線価(1㎡当たりの単価)×補正率・加算率×地積

例  30,000円/㎡×0.95(形状がやや不整形の補正)×200㎡=5,700,000円となります。

 

②倍率方式
   路線価の定められていない地域(郊外の集落等)で、地域毎に定められている倍率表に基づいて各々の土地を評価します。


        固定資産評価額×倍率

例 3,000,000円×1.1=3,300,000円となります。

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