遺留分について

お問い合わせはこちら

ブログ

遺留分について

2020/10/19

前回は遺言書についてお話しましたが、今回は遺言に関係する遺留分について詳しくお話したいと思います。


遺留分とは、相続人に法律上保証された最低限(一定割合)の相続すべき財産(権利)のことをいいます。
この場合の相続人は、基本的に直系卑属の配偶者又は子・孫(配偶者・子がいない場合は直系尊属の父母)に限られています。
遺言書で「全ての財産を長男A男に相続させる」という遺言はできますが、次男のB男、長女のC子がいた場合、B男・C子には遺留分という一定割合の相続すべき権利が保障されています。


父親(被相続人)が死亡し、相続人がA男・B男・C子の3名の場合、原則的に法定相続できる権利割合はそれぞれ3分の1ですが、遺言書でA男に全て相続させるという遺言があった場合、A男は一旦、全財産を取得することができます。
しかしながら、B男・C子がそれに納得できないときは遺留分の権利をA男に請求することができます。
この権利を行使できる割合は、法定相続分(割合)の2分の1と決まっています。すなわち、B男・C子は全財産×3分の1×2分の1=全財産の6分の1を請求することができるのです。

全財産が6千万円あった場合、B男・C子はそれぞれ6千万円×6分の1=1千万円を請求できます。

なお、直系尊属(父・母)の場合は2分の1ではなく3分の1です。

 


平成30年の民法(相続法)の改正により、遺留分を請求する権利を「遺留分侵害額請求権」といい、受遺者に対して金銭で請求することができます。
遺留分侵害額請求権は、従来は遺留分減殺請求権という用語でしたが、法律の改正により遺留分侵害額請求権となり、金銭で請求できる権利となりました。

この遺留分侵害額請求権は、相続開始時又は遺贈があったことを知った日から1年で時効となり、消滅しますので注意が必要です。


上記の例でいえば、B男・C子はA男が全財産を相続しても異存がなければ遺留分の請求をしないことは当然自由です。


前にもお話しましたが、財産の相続において相続人が複数いる場合は、遺留分を念頭に相続財産の分与を心がけていたいものです。

 


遺言書に故人(遺言者)の思いを丁寧に書いておくことも必要です。
相続人は故人の遺志を尊重し、不満があっても納得せざるを得ません。
財産を築いたのは故人(遺言者)なのです。
本来は、故人が築いた財産を故人がどう使おうと故人の自由であり、全部使ってもよいはずのものですから。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。